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小鳥の声に癒されて。

2024.04.24

小鳥の声に癒されて。

ここの所、暑いのか寒いのか解らぬ何とも気持ちの落ち着かない気候が続いているように思います。

朝起きて少しヒンヤリ致すかと思えば、昼には半袖になるような温度であったりと、体調も良い形で定まらぬような気が致しています。

そして雨はとても大切ですが、降りますとこれまた継続的に続き、少し気が滅入ることとなります。

そんな時は客殿前の廊下のガラス戸を開け放し、廊下に座布団を二枚折に致し、お尻を乗せ「座禅」の姿勢を取ってみます。

背筋を伸ばし、ゆっくりと息を吸い込み、そしてゆっくりと息を吐き出します。

身体から悪い物が出て行ってくれる気がします。

以前にご紹介致しました本堂前に新しく出来ました「野鳥の庭」、正面の滝から流れ落ちる水音、今の所たまにですが、滝の下の水池に小鳥が水浴びを致しにやって来ます。

更に、奥に茂る樹木の枝からは様々な可愛らしい小鳥の鳴き声が響いて来ます。

有難いことに、町中で水音を聞き、野鳥のさえずりに耳を傾けることが出来ます。

嫌な気分が少しずつ消えていってくれる気が致します。

当に癒されて行く気分です。

この時期は柔らかい緑の新緑、百花繚乱の花の姿が更に気持ちを落ち着かせてくれる本当に良い時期です。

禅寺の庭は枯淡を良しと致していますので、あまり樹木の無い「枯山水」の庭が多いのですが、私の師匠が花木をとても好きで多く植えて下さったことと、お寺参り、お墓参りの皆さんがそれぞれの季節で庭を愛でて喜んで下さる庭を目指せと若い時に言われましたので、その実現を今日まで目指して参りました。

近年は代々墓に加えて、永代供養墓のご縁を沢山頂戴致しておりますので、お陰様で皆さんとの法事の縁が多く、お越しの皆さんも無事に終わりました法事の後に庭の見える客殿にて歓談を長時間いたして下さっています、更には庭を見ながら故人の思い出を語り、近くの仕出し屋さんから届けて頂いた、お弁当を皆さんで和やかに召し上がるということがとても増えました。

お寺という空間を「私がほっとできるところ」という想いでお使いいただいているようにも思います。

とても嬉しいことです。

只、本堂の正面のお庭には皆さんご本尊様のお参りにお越し下さり自由に散策頂いていますが、お話し致しています「野鳥の庭」は玄関からお上がり頂き、客殿までお越し頂かねば目に触れることが出来ません。

水音と野鳥の声に興味を覚えられたお方は、是非、お声掛けいただき、御覧下さい。

勿論、水子供養へお越しの皆さん、蓮華堂、絆縁堂へお参りにお越しの皆さんもお気軽にお声掛け下さい。

柳は緑、花は紅。

元々は唐詩の中の詩語ですが、禅語としてとてもポピュラーな言葉です。

兎角、私たちは必要以上に身構え、必要以上に自己を良く見せようと致したりすることがないでしょうか。

無理を致した自己の実現につまずき、神経を病んだり致すことさえあります。

そんな時、この言葉を思い出します。

あたりまえに春が来たらば、柳は芽を吹き柔らかな鮮やかな緑の葉をたおやかに付け、庭の様々な花は真っ赤な花を「淡々」と開いているではないか。

「お前は何をそんなにいきっているのかい」と樹木が問い掛けているのです。

中々、自然の樹木の境涯には届きませんが、庭で春先の緑の柳、鮮やかな赤い花が目に飛び込んできましたら、思い起こして頂きたい言葉の一つです。

これからは暑さに辛い季節へ向かいます、それでも最初に申し上げましたように、今暫くは迷う気候が続くようにも思います、十分に体調に留意致し、四季が無くなってきたと言われますが、短い時間であっても、この春先の良き時期を楽しめれば幸いです。合掌

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