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庭の緑を眺め、思い起こしましたこと。

2023.04.21

庭の緑を眺め、思い起こしましたこと。

前回のブログのお話しと重なりますがついこの間迄、震え上がる寒さの毎日で暖かい春を心待ちに日を過ごしていました。

そして、春を迎え、京都は桜で賑やかな日々も過ぎ、今はスッカリ桜の花も無くなり、どの木にもしっとりとした青葉が茂っています。

恐ろしい程の日の過行く速さですが、これは毎年言っているように思います。

そして霊源院、龍眠庵の庭も、今は新緑が一番綺麗な時で、その中に混じり、色とりどりの花が日々、咲き誇り、お参りの皆さんの目を楽しませているように思います。

特にこれから暫くはシャクナゲの花が目を楽しませてくれます。

さて、今でこそ、多くの皆さんに綺麗な庭ですねとのお褒めのお言葉を頂戴致す機会が増えましたが、思い起こせば、このようになるまでには随分な時間がかかったように思います。

私がこの霊源院でお世話になり、早いものでもう、40年以上となります。

生まれは長野で、高校迄は長野の安曇野で過ごしましたが、遥かに超える年限をこの京都の霊源院で過ごさせて頂いています。

これだけの長い年限を無事にこの地で過ごさせて頂いていることに、先ずはご本尊へ感謝申し上げると共に、お寺を支えて下さっていますご縁の皆様に改めて、心より感謝申し上げます。

さて、先に霊源院、龍眠庵の庭の緑が鮮やかと申しあげましたが、この二つの庭、特に霊源院の庭の今日ある基礎を造って下さったのは、隣、龍眠庵の住職、私の師匠の金子です。

未だ私が修行道場から戻ってそれ程に日が経っていない若い頃の、霊源院は建物もあちこち傷みが酷く、庭もそれ以上に味気の無い様相でした。

そして、その頃はお寺のご縁の皆さんもまだ少なく、お寺の経営も厳しい時でしたが、師匠は無い袖を振り、私と共に京都の南にあるお寺、東寺で開かれる弘法さんの縁日の植木屋さんへ毎月のように通い、様々な苗木を購入致し、しかも、私たちが毎回、スコップで植樹の場所も自分たちで決め、自分たちで植栽を致しました。

そして、その頃に植樹しました樹木、花木が思いもしない程に大きくなり、綺麗な花を咲かせて、艶やかな緑を楽しまさせてくれています。

勿論、この年月の間に枯れたり、水子供養のお堂、「蓮華堂」も新築致していますので、庭の景色も変わって来てはいますが、申し上げたようにこの庭の基礎はその頃に造られています。

そして、その年月の間に頂きました多くのご縁の皆さんが、今はこの景色を喜んで下さり、お墓参りにお越し下さっています。

歳月の重みを感じますと共に、綺麗になったお寺の建物を見上げて、頂いた多くのご縁とご縁の皆様のご尽力の有難さを改めて感じる日々です。

昔の霊源院の庭をご存知のお方はおそらく少ないと思います、昔ばなしとはなりましたが、これも又、お寺の歴史の一つです。

頭の隅にそんなことを少し置いて頂いて、この新緑の時期を共にお楽しみ頂きたく思います。

東福寺展のお知らせ。

現在、東京の国立博物館で3月7日~5月7日迄、東福寺の至宝を展示の東福寺展が開催されています。東福寺は国宝、重文が多いお寺です。

霊源院からも3点ほど出展致しています。

見ごたえのある物となっていますので、機会が御座いましたら是非。

東京へは行けないお方様は、秋の10月7日~12月3日迄は同じ展示内容で、京都の国立博物館で東福寺展が開催されますのでその機会を是非ご利用下さい。合掌

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