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足るを知る。

2023.02.01

京都東福寺霊源院の住職徒然記

足るを知る。

この「足るを知る」という言葉、とても有名な言葉ですね。仏教の教えの中でもしばしば使われますが元は中国の思想家「老子」の言葉ということです。

意味の解釈は一つではないようですが、一般の解釈としては、欲張らずに、自分の身の丈で暮らしなさいという意味で使われていることが多いようです。

実はこの言葉を思い出しましたのは、近しくお付き合い頂いています、霊源院の檀家さんから優しいアドバイスとして語られた言葉だからです。

過日にお寺で法事があり、法要は無事に済み、お越しの檀家さんと歓談致している時でした。

檀家さんが「霊源院は境内も含め、どんどんと整備され綺麗になって来ていますね。」とお褒めの言葉を頂きました。

その言葉を聞き、ついつい嬉しくなり「有難う御座います、これからも、もっともっと綺麗に、使いやすいお寺に整備致して行きますね」と返答致しました。

すると、檀家さんが「和尚、その前向きな気持ちは大切ですが、このような厳しい社会情勢の時代です、和尚の前向きさは大切ですが、(足るを知るという)言葉を忘れづにあまり無理をせずにやっていって下さいよ」と優しくご提言を頂きました。

本当に、心から、私が無理を致さぬようにとの思いの籠った言葉であることは直接に伝わって参りましたが、中々に厳しい言葉でもあります。

お陰様で、霊源院、龍眠庵共に石屋さんの有難いご尽力を頂き、永代供養墓をご縁に多くの皆さんとご縁が繋がっております。

皆さんから頂戴致しております、ご厚志により、どちらのお寺も順調に整備が進んで参りました。特に龍眠庵は昨年に念願の山門の新築が成り、大きな喜びの年となりました。

その様な中で、私の心の中に「もっと、もっと」という気持ちが発生致しておったことにハッとさせられました。

先ずはその「もっともっと」の気持を抑えて、頭をクールダウン致し、ご縁の皆さんが喜んで下さるお寺造りを目指さねばとの思いを、思い起こさせて頂く提言となりました。

有難い言葉を頂戴致しましたことに深く感謝致しますと共に、年を重ねるにつけ、頭をもたげる自分自身の「欲」にも十分に気をつけねばという想いも又、持つことができました。

世の中が、かなり物騒な嫌な感じですね。

朝起きて、コーヒーを頂きながら読む新聞、楽しみの一つです。

それと共に、新聞を読み終えた後はパソコンを開き、今度はネットのニュースを読みます。

新聞、ネットのニュース共に、嬉しい話題、楽しい話題もありますが、最近は強盗事件、人の殺傷事件が随分と多く感じ、しかも、「かなり物騒だな」と感じるのは私だけでしょうか。

特に、年配の皆さんが被害に会われているニュースに接しますと暗澹たる気持ちが湧きおこってきます。。

霊源院、龍眠庵共に檀家さん、永代供養墓の皆さんもご年配の方々が増えてまいりました、そして、お一人、或はご夫婦お二人でというお方が多いように思います。

且つては無かったような凶悪な犯罪が頻発致しているような気が致します。

安全な日本という環境が無くなってきている印象でとても残念です。

ともあれ、檀家さん、永代供養墓のご縁の皆さん、特にご年配の皆さんには十分な御注意を頂き、安全にお暮し頂きたく、心から祈念申し上げます。

そして、2月の厳しい寒さを迎えます、此方も注意なされ、日々をお暮し頂きます様、重ねて祈念致します。合掌

  • 霊源院の竹内希元住職東福寺塔頭霊源院
  • 住職 竹内希元
  • 京都市東山区本町15丁目791
  • 電話 075-561-9684
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