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結婚観とお墓事情の変化

2022.12.10

京都東福寺霊源院の永代供養コラム

結婚観とお墓事情の変化について

霊源院指定石材店のオフィス石太郎です。

今年の5月より、霊源院の隣にある龍眠庵で樹木葬と永代供養墓の受付が始まりました。

龍眠庵ご住職は、霊源院ご住職のお師匠さんですが、ご高齢ということもあって日常の法務は霊源院さんがお手伝いをされています。

お陰様で龍眠庵の樹木葬や永代供養墓は、沢山の方々にご見学をいただきました。

ご見学いただいた皆様とのお話を通じて感じた最近のお墓事情について紹介させていただきます。

永代供養墓は後継者のいない方のお墓?

永代供養墓は、まだまだ後継者のおられない方のためのお墓というイメージをお持ちの方も多いと思います。

永代供養墓の特徴である「墓じまいが不要なお墓」ということから、弊社でも最初の頃は「後継者のおられない方も安心のお墓」を強調してまいりました。

昨今の「墓じまいをする方が急増」からもわかるように、核家族のお宅が増える中では、「後継者の有無と墓じまい」には以前のような因果関係は薄れてきているように思います。

ご両親が墓じまいを決断される理由は

  1. ご先祖様のお墓が放置されることを防ぐ

  2. 子供や孫への負担を心配する

弊社では、20年前の創業当初より、このような状況になることを予測して、全ての方が安心して建てていただけるお墓として永代供養墓を紹介してまいりました。

永代供養墓は、墓じまいの心配がなく、無期限に寺が墓石の保存につとめるお墓です。

お墓に対する心配や不安の解消につながるよう、お寺が担う事柄を規程として明記いたしました。

また、弊社が考える永代供養墓には、今までお寺とご縁がなかった方々と寺院を結ぶ役目もございました。

また、お墓に埋葬された方々には定期的なお供養が勤められ、後継の墓地使用者様には、その都度合同法要の案内状が郵送されます。

合同法要に参加できない方も、あらためて故人様を偲ぶ機会として自宅で合掌していただければと思います。

最寄りの東福寺駅から徒歩5分ということもございますが、霊源院本堂での法事を希望する人が多いことから、お役に立てていることを実感しています。

後継者のおられない方は勿論ですが、後継者のおられる方には安心して次世代に託していただけるお墓として永代供養墓をおすすめしています。

結婚観とお墓への思い

筆者が墓石の業界に入ってから30年以上が経ちます。

30年前には、結婚をされたお嬢さんは嫁ぎ先のお墓に入るということを、ほとんどの方々が常識と考えていたと思います。

最近では、ご両親と一緒のお墓を希望する嫁がれたお嬢さんもおられます。

娘「私は、こっちのお墓に入るので、その時はヨロシク♪」

親「何を言ってるの、あんたは嫁ぎ先のお墓に入らないと・・・」

娘「そんなの誰が決めたの?そんなの自由や」

親「でも、昔から嫁ぎ先のお墓に入ることになっている・・・」

娘「いいの、いいの、私はこっちに入るし・・・」

このような感じのヤリトリをお聞きするのは、一度や二度ではありません。

最近では、夫婦別姓を希望する人が増えるなど、30年前と比べて結婚観もずいぶん変わってきました。

このような状況を嘆く人がおられるかも知れません。

しかし、様々なご要望に対応するお墓が揃う中では、筆者は時代の流れだと思っています。

心のどこかで祖父母世代が希望していたことが少しだけ両親世代に受け継がれ、両親世代が心のどこかで希望していたことが少しずつ子供世代に受け継がれているように感じています。

たった30年で、結婚観やお墓への思いは随分変わってまいりました。

この先30年で、どのように変わるのかは予測できません。

「我が家は、娘だけなので夫婦墓にしよう」と考えて生前墓の確保を検討しているご夫婦は、お嬢さんの気持ちを確認しておくことをおすすめいたします。

まとめ

お嬢さんとご両親との会話を通じて、結婚観やお墓への思いについて、最近のお墓事情として紹介させていただきました。

夫婦別姓が当たり前になる時代には「〇〇家之墓をどうするか問題」が勃発しそうです。

火葬の普及と同時に代々墓が普及しましたが、一つのお墓を我が家のお墓として使用する時代は、もうすでに終わろうとしています。

これからは、お墓は家族だけで守るものではなく、寺院と「持ちつ持たれつ」で守る時代が、しばらく続くのではないかと考えています。

  • 有限会社 オフィス石太郎オフィス石太郎
  • 担当 柳田 貴人
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