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霊源院七施

2022.05.12

京都東福寺霊源院の住職ブログ

霊源院七施

霊源院七施(れいげんいんしちせ)

「施」という文字

仏教の教えの中には、「施(せ)」という文字が比較的多く出てきます。

仏教においての「施」は、修行の実践を示すために使われるとても大切な言葉です。

霊源院七施とは、仏教の教えを七つの具体的な行動として示したものです。

最近、本堂の中に般若心経を書いたホワイトボードの下に「霊源院七施」を書いたボードを追加いたしました。

行動指針

霊源院七施

霊源院では11月に本堂や庭を観光でお越しの方に無料開放しています。

日頃、お墓参りや永代供養墓にお参りの皆様には、期間中ご迷惑をおかけしており誠に申し訳ございません。

期間中は、一般の方々も本堂へ自由にお参りいただいております。

また、ご希望の方には御朱印のご用意もございます。

一般拝観の受付期間中は、3~7名のスタッフにお手伝いをいただき、お越しの皆様への応対をお願いしています。

紅葉の最盛期には、当院へも沢山の方々がお越し下さいますので境内が大変混雑いたします。

このような状況の中で、お越しいただいたお客様に応対をして下さるスタッフの心構えを解りやすく示したのがこちらの七施です。

もともとの七施は、日常生活の中で活かしていただくために、仏教の教えの実践として示されたものです。

仏教の教えをヒントに、より良い日常を過ごしていただければという思いから、お越しの皆様にも霊源院七施を紹介しております。

慈眼施(じげんせ) 優しい眼差しで接する。
和顔施(わげんせ) 明るく笑顔で接する。
愛語施(あいごせ) 思いやりを持って話す。愛情をもって叱る。
捨身施(しゃしんせ) 進んで行動する。お手伝いをする。
心慮施(しんりょせ) 心を配り寄り添う。
壮座施(そうざせ) 進んで席を譲る。
房舎施(ぼうしゃせ) 安らぎの場を提供する。

財布を落とすという出来事が

過日、町に出かけた時のことです。

用事が終わって鞄の中の財布が無いことに気付きました。

免許証などの大切な物が入っていましたので青くなり、急いで歩いた道を探しました。

有難いことに無事に落ちている財布を見つけて大事に至らずに済みました。

本当に安心致しました。

次の日の新聞の読者投稿欄に、ある記事を見つけました。

投稿者の男性が、電車に乗った際に奥さんからプレゼントされた大切な財布を失くされました。

慌てて次の駅で問い合わせたところ、無事にご自身の元に戻ったそうです。

投稿者の男性は、お金のそこそこ入ったお財布が無事に戻ってくるこの国に対する心からの喜びと感謝を書かれていました。

まさしく仏教の教えに基づく「施」の実践を積み上げて来たこの国ならではのお話だと感じました。合掌

  • 霊源院の竹内希元住職東福寺塔頭霊源院
  • 住職 竹内希元
  • 京都市東山区本町15丁目791
  • 電話 075-561-9684
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