終活についてのご相談

2022.10.03

京都東福寺霊源院のコラム

終活についてのご相談

終活についてのご相談を頂くことが増えました。

終活という言葉が市民権を得て普通に使われるようになり、随分久しいと思います。

寧ろお寺以外、例えば葬儀屋さん等からの提案として世間に認知されてきたように思います。その延長線上として私たちにも最近は「終活」としてご相談を頂く機会がとても増えました。おそらく終活という言葉がスタンダードに使われだしたのは此処20年位ではないでしょうか。それ以前は墓地ブーム(将来墓地を取得することが困難な時代が来る)に伴う終の住処の確保が声高に叫ばれ、霊源院でも多くの皆さんとご縁を頂き、親しくお付き合い頂くお方様が増えました。ところが、高度成長が終わり、家を中心とした生活の形が、核家族化という名のもとにお父さん、お母さんとは別々に生活のベースを用意致し個々別々に暮らしを立てていく有り様が標準となり、若い世代にとって代々のお墓守り、仏壇守りは当代の両親へお任せが当たり前という時代が続いて来ました。そして、両親へ仏壇、お墓守りを頼ってこられた皆さんがそれなりの年齢になり、自分の終の住処としてのお墓、自分の最後の葬送について考えることを迫られる年齢となられました。核家族化が標準となる前までは一つの家に二世代、時には三世代が共に暮らすということも珍しくなく、一緒に住んでいるお年寄りの葬送を当たり前に見ておられ、それを経験値として特別に迷わずに、故人をお送り致して来られたように思います。現在、有難いことに長寿が当たり前になり、インターネットを通して様々な情報が簡単に手に入るようにはなりましたが、人の人生の終わりの儀式、葬送の儀、そして、その葬送の儀をどのように致すかというそのことへの不安が高まっている中での「終活」であろうとおもいます。

お寺は今迄各ご縁のお家にそのような事態が発生致しました時に、所謂、葬儀の実行を致せば良かったのですが、そこへ至るまでの皆さんの不安が大きいということにあまり目が行くことがありませんでした。幸いに霊源院では永代供養墓を含め新しいご縁を多く頂くようになり、その核家族として生活をなされてこられ、それなりに年齢を重ねられた皆さんから、近しくご相談を頂く機会がとても増えてまいりました。前もってお墓、そして、近親に不幸があった時のことを直接お会い致し、お話し致したいとのお申し出が本当に増えてまいりました。そして、直接お会いさせて頂き、葬送の儀も含めて様々な疑問、不安をお持ちの皆さんから直接ご相談頂き、私の力量の範囲ではありますが、お答えさせて頂き、過分なお褒めの言葉とは思いますが来て良かった、安心致しましたとのお言葉も頂くことが増えました。お寺が頼りにされている実感を感じ、張り合いを感じることが増えました。少子高齢化で寺院の有り様、運営が混沌と致しているこの時代にこのように当てにして頂くことを感じることが出来ますことは幸せです。これからも、平易なお話しを心掛け、お越しの皆さんが安らかなお気持ちになって頂けます様心がけてまいる所存です。終活に限らず、心に気になることがあります時はお声かけ下さい。お待ち申し上げております。

さて、来週はびっくり致す程、気温が下がるとの予報です、体調管理に十分に留意致し、お過ごし下さい。合掌

  • 霊源院の竹内希元住職東福寺塔頭霊源院
  • 住職 竹内希元
  • 京都市東山区本町15丁目791
  • 電話 075-561-9684
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