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お墓参りと生前墓

2023.06.12

京都東福寺霊源院のお墓のコラム

お墓参りと生前墓

東福寺霊源院指定石材店のオフィス石太郎です。

東福寺霊源院では、2003年より各家ごとを個別に埋葬する永代供養墓の受付をしています。

霊源院の隣りにある東福寺龍眠庵では、2022年5月より永代供養墓樹木葬の受付が始まりました。

龍眠庵のご住職は、霊源院のご住職の師匠で、普段から法務の手伝いなどをされています。

本項では、生前墓を確保する際の注意点やお墓参りについてをアレコレ書かせていただこうと思います。

生前墓とは?

生きているうちに、ご自身のお墓を造ることを生前墓といいます。

ご夫婦の場合や、先々にはご家族での使用を考えている人もおられます。

合祀墓をお考えの方は、生前予約になります。

いずれの場合も、生前墓を希望する方はご自身が埋葬される場所を新たに確保する必要がある人になります。

生前墓を希望する人には、大きく分けて3つの理由があります。

後継者がいないため、自身で用意しておく必要がある人。

後継者への負担を出来るだけ減らしたいと希望する人。

自分が気に入ったお墓に埋葬されたいと希望する人。

どのような理由であってもも、家族や周囲の人への配慮を優先したお墓選びをされているように感じます。

お墓不要論

少子化や核家族化が進むにつれて、最近では墓じまいをする人が増えてきました。

知人などから墓じまいの話を聞く機会があった人は、「お墓は、いらないのではないか?」という気持ちになってしまうかも知れません。

お墓がありませんとお墓参りもできませんので、最近では「お墓不要=お墓参り不要」という風潮もあるようです。

しかし「お墓はいらないかも知れないが、お墓参りもいらないと考えている訳ではない」と、迷っている人もおられるのではないかと思います。

ここでいうお墓とは、今までのお墓という前提があります。

家族が墓じまいの心配をすることなく、お供養にのみ専念できるお墓がありましたら、次世代も安心してお墓参りをしていただけるのではないかと思います。

お墓参り不要論

前章で、お墓参り不要論について少し触れました。

このような風潮を感じるのには、永代供養墓や樹木葬の使用者を募集している墓地管理者や石材店にも責任があると思います。

「お墓参りをする人がいなくても安心のお墓」というのは、永代供養や永代管理のお墓の特徴の一つではありますが、あまりにも強調し過ぎではないかと感じます。

お墓とは、家族にとって大切な場所です。

まずは、ご家族が集まって気持ちよくお参りいただける環境や、具体的なお墓参りの方法、枯れ花の回収などのお墓の管理体制など、お客様にお伝えすることは沢山あるのではないかと思います。

筆者は、昨年に大学生の方々と広告の打ち合わせを兼ねて意見交換をする機会がありました。

大学生の方々に、永代供養墓の紹介文をお願いしますと、「永代供養のお墓では、法事やお墓参りは不要です」という文章が、ほぼ全員入っていました。

学生さんの反応には、手応えの無さに寂しい気分になりました。

お墓には、あまり関心がなさそうだったご主人が、奥様がお亡くなりになってから頻繁にお参りにお越しになるケースもございます。

お供養については、当事者にならないと実感できないものですので、打ち合わせでの学生さんの反応を嘆いている訳ではございません。

生前墓とお墓参り

生前にお墓を建てた人からは、「お墓の準備が出来たら、どのようにすれば良いのか?」という相談をいただきます。

弊社では、お墓の完成をご覧いただく際に、今後の説明をさせていただいております。

お墓が完成いたしますと、昔からの習わしとしては、開眼供養(宗派によっては建碑式)と呼ばれる法要を墓前で行っていただきます。

ご住職にお経を唱えていただくことで、お墓は供養する対象になると考えられています。

東福寺霊源院では、お墓がご先祖様に感謝を伝えていただく場になるようにお経が唱えられます。

ただし、お寺や弊社は開眼供養の有無や時期については、一切強制いたしません。

開眼供養の有無に関わらず、お墓の完成後は定期的なお掃除が必要になります。

初めてお墓を造る人は、これらの開眼供養やお掃除を手間と考える人がいるかも知れません。

掃除については手間ともいえますが、これらは決して無駄な事ではありません。

子供は親の背中を見て育つといわれるように、お墓参りも少しずつ家族の習慣として根付いていくのではないかと考えています。

前章のお墓参り不要論の中で「お墓とは、家族にとって大切な場所です。」と書きましたが、大切な場所になるためには、やはり時間がかかります。

我が家流お墓参りのすすめ

筆者は、お供養についての風習は世代ごとに変化をしているように感じています。

検証には長い年月が必要なため推測にすぎませんが、お寺との付き合いや、お供養やお墓のことについては、両親から引き継がれるためです。

最近の筆者は、新たにお墓を確保された方々に「我が家流のお墓参り」を進めています。

  • なぜ?墓前で合掌をするのか??

  • 合掌をしている時に心の中で何をつぶやいているのか?

  • なぜ花や線香をお供えするのか?

  • 等々

墓前では、年長者の方は、特に子供さんや若い人にお墓参りについてのアレコレを教えていただきたいのです。

もしも違っていたとしても誰にも迷惑がかかりませんので、正しいとか間違っているとかを気にする必要はありません。

我が家流のお墓参りの知識は、お爺さんやお婆さんとのお墓参りの思い出と共に、次世代に引き継がれていきます。

まとめ

最近は効率を重視する風潮が強いように思います。

手間と思えば手間に感じてしまいますが、工夫をすることで余裕や豊かさに繋げることができるかも知れません。

東福寺霊源院の施設を利用すると、年に一回お寺に家族全員が集まってお墓参りと食事をするというようなことを考えていただくこともできます。

核家族の時代だからこそ、お墓参りに託けて家族で京料理を楽しむ・・・なんていうのも、交通アクセスの良い東福寺霊源院では可能だと思います。

ご家族(子孫)が、いつまでも仲良く元気なことが、一番の先祖供養だといえるのではないかと信じています。

  • 有限会社 オフィス石太郎オフィス石太郎
  • 担当 柳田 貴人
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